和歌山県訪問先:医療法人裕紫会 中谷病院
訪問日時:2012年9月12日(水)10時~11時半
本日は、和歌山県の在宅医療連携拠点事業所である、医療法人裕紫会 中谷病院を訪問させていただきました。
和歌山県の県庁所在地に位置しており、街に医療機関や介護事業所も多数見受けられる地域です。
また、温暖な気候が和歌山県の特徴でもありますが、訪問日は朝から30度を超えた晴天でした。
中谷病院は、JR和歌山駅から東へ2キロ、バスで15分程いったところにあります、一般病棟45床、回復期リハビリテーション病棟32床、障害者施設一般病棟60床、介護療養病棟58床のケアミックス病院です。
また、法人内には医療・介護系の事業所(有床人工透析診療所や、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等の介護保険関連施設、住宅型有料老人ホーム等)を保有されています。「地域とともにいきる」を理念とし、急性期の後方支援及び地域一般病院として、地域に根差した医療・介護サービスを実施されておられます。
地域の実情に合わせて急性期病院からの転換を図り、在宅に向けての橋渡しと地域医療のかけこみ寺的な役割をはたす目的のため、病棟や施設を整備してこられました。
また近隣の在宅療養支援診療所と連携して機能強化型在宅療養支援病院となっています。
和歌山市内には2か所の救命救急センターの設置病院があり急性期医療提供については充実しています。一方で慢性期医療、在宅医療提供については病院、診療所、訪問看護ステーション、居宅介護事業所間の連携はできていますが、診療所同士等同事業体間での連携にまでは至っていないのが現状だそうです。
近年和歌山市では、高齢者が生活する場所として、介護施設よりも高齢者住宅が増加しており、在宅医療提供については高齢者住宅(有料老人ホーム、サービス付き高齢向け者住宅)への対応も重要だと考えておられます。
在宅医療連携拠点事業では、和歌山市東部、和歌山市に8か所ある地域包括支援センターの第4圏域、第6圏域(人口約8万人)の地区を対象に活動されます。
在宅医療連携拠点事業開始にあたり、在宅医療連携拠点事業の事業説明と協力を呼びかけるパンフレットを作成して、医師会をはじめ各職能団体へ訪問されています。
また対象地区の医療機関、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター等にアンケート及びヒアリングを実施し、地域の医療・福祉資源の把握をされました。
アンケート結果を参考に、県・市医師会、行政、医療関係者、介護関係者などの多職種が参加する在宅医療連携連絡会(合同カンファレンス)を開催してグループディスカッションを行い、地域の優先課題を抽出して解決策を検討して今後の方針をたてる予定です。この合同カンファレンスは年4回開催する予定です。
中谷病院では入院時の面談の際に治療方針などの説明を患者様やご家族にされておられます。
中谷病院へ入院される患者様は90%以上が高齢者であるため、この面談を発展させる形で、急変時の対応や治療内容、転院先などについて患者様自身の希望を調査する仕組みを考えておられます。介護関連施設間に対しても調査される予定です。
医療法人紫裕会 中谷病院 在宅医療連携拠点事業ホームページ 関連資料ページ
医療を受けられる高齢者の皆様が、事前に終末期の治療方針について考えて治療方針を選択しておくことにより、患者様ご自身で判断できなくなったときに、ご家族・主治医の参考になります。このような取り組みは在宅医療連携拠点事業においても各地で行われています。
中谷病院では、地域の社会資源リスト、マップが掲載されたホームページを立ち上げておられます。
在宅医療連携の相談窓口~地域で支えるための相談・連絡調整~として、コールセンターを設置し、広く在宅医療についての相談を受けています。
長い目で地域の今後を見据えた活動展開をご教示頂き大変勉強になりました。
お忙しい中、院長をはじめ多くの皆様にご対応を頂き誠にありがとうございます。
今後ともご指導頂けますようお願いいたします。