宮城県
石巻市立病院開成仮診療所 事業担当者:長 純一先生
訪問日時:2012年7月4日(水)12:00~13:00
今回は、宮城県石巻市の拠点事業所 石巻市立病院開成仮診療所へ伺いました。
初夏の晴天に恵まれ、仙台駅からバスにて石巻駅へ向かいました。駅前まで事務長さんが迎えに来てくださいました。ありがとうございます。
右:事務長 |
石巻駅 |
石巻駅前には 【いしのまきマンガマップ】があり、町の至る所にある石ノ森正太郎氏のモニュメントが図示されていました。時間があればモニュメントを巡ってみたかったです・・・。
震災前の石巻市立病院は、急性期病院として地域の急性期医療を担っておりました。
もともとは沿岸部にございましたが昨年の震災によって病院機能を失い、現在は約1900戸(約4,700名)の仮設住宅が建てられている地区に、診療所を建設され医療サービスの提供をされておられました。まだ、診療所が建設されて約5週目のお忙しい中で訪問させていただきました。
こちらには、在宅医療を積極的に事業展開されておられます、長野県 佐久総合病院(今年度 在宅医療連携拠点事業所)から在宅医療における実績の深い、長純一先生が所長として赴任され事業展開されることとなりました。
被災後、急速に建設された仮設住宅街では新たな人々がゼロからコミュニティー形成する事における問題と、急激な環境変化における健康問題が顕著化していることを学びました。
アルコール依存や引きこもり、セルフネグレクトなどが見られているという現状へ、専門職の支援が強く求められているということがこちらの地域特性とその保健・医療ニーズだと感じました。
石巻市立病院仮開成診療所では、震災後の復興支援に多忙な行政や関係職種と、全国から集まっているボランティア団体等とをつなぎ、情報共有と連携確立に向けた顔を合わせる場所のセッティングや参加促しを行われていました。また、住民との交流・現状把握のため、まずはアウトリーチを中心とした活動からコミュニティー形成促進と診療所の認知普及へと努めておられるお姿に逞しさを感じました。
新たな住宅機能など街づくりの時点から、住民の健康支援の視点から街づくりへ助言を行うことも、地域住民の方々の中で活動される在宅医療事業所として重要な活動であると感じました。
在宅医療に携わられて20年近いご経験から、在宅医や在宅医療におけるシステム、患者医師関係などに関して鋭いご指摘を頂き、在宅医療における現状と方向性において、患者のための在宅医療について再度考え直せる機会を頂くことができました。
急な訪問にも関わらず、沖縄県立中部病院から研修に来られている公衆衛生がご専門の田原先生にもご協力を頂き、被災地における在宅医療の現状と地域ニーズに関して学ばせていただきました。ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。