2012年7月12日木曜日

福島県訪問先:JA厚生連 塙厚生病院


福島県
JA福島厚生連 塙厚生病院
事業担当者:星 竹敏先生(併設老健施設長兼東白川郡医師会副会長)
訪問日時:2012712()11:0012:00

 厚生労働省にて行われました、平成24年度在宅医療連携拠点事業説明会に出席させていただきました翌日に、
福島県 JA福島厚生連 塙厚生病院へ訪問させていただきました。


塙厚生病院へ向かう車中から、
緑豊かな中に、町の中核拠点としてそびえる塙病院を見つけることができました。
訪問前に撮影させていただきました。


緑に囲まれた街並みは
まるで絵葉書の中にいるような、心の底から落ち着く心地よい雰囲気でした。

ゆったりとした街の雰囲気の中ですが、人材不足と地域医療資源の高齢化が深刻な問題となっており、その現状に懸命に対応される活動を伺いました。




 新たに開設された医院が20年近く見られていない事、震災による影響で医局への医師の引き上げがあり、人材不足が大きな問題となっておりました。
 過疎化による独居高齢者の増加がみられており、孤独死が見られていることから、行政や福祉事業関係者との連携を持ち、地域全体で地域みなさんの健康を守れるように日夜奮闘されるご様子に、地元を心から愛してやまないお姿に強く心を打たれました。

塙厚生病院では、すでに役所との連携が強固であり、人口統計情報や地域資源情報が共有されており、地域資源マップと地域の課題分析が完了されておりました。素晴らしいの一言に尽きます。
711日の厚生労働省から出された9月末日の提出課題はすべて揃っておられました。福島県からの推薦を得られた在宅医療連携拠点事業所としての積極的な取り組みとその実力に感銘を受けました。



塙厚生病院では、地域の若者の雇用や急性期医療~在宅医療にわたる医療サービス提供を一手に引き受けておられ、日々ご多忙極まる中で、よりよい地域住民の生活維持に向けた取り組みに終始全力を尽くされるご様子に私は心打たれる訪問となりました。

 在宅医療の地域資源の有効活用のための連携促進と限られた人材の負担軽減を今回最大の取り組み課題として抽出され、IT活用による効率的な情報共有システムを積極的に進める準備をされておられました。

和歌山県橋本市の伊都医師会によっておこなわれている、ゆめ病院(タブレット端末を活用した、多職種や多職種事業所間における診療情報ネットワークシステム)をモデルとして在宅医療における多職種間での情報共有システムを導入し、関係者間の情報共有のための負担軽減を行おうと取り組まれておられました。

地デジ化の際に、電波がキャッチしにくい立地条件があり、塙町では全世帯にIP電話回線が配置されている地域の特徴がありました。

ゆくゆくは行政管轄であるIP回線を活用した、独居高齢者支援などにも活動を広げようという、地域全体を包括した支援につなげる活動展開構想も伺いました。




星先生は東白川郡医師会副会長を併任されている事を受け地域医師会との強力な連携がありました。
さらには、福島県庁をはじめ行政との連携も強い塙厚生病院が、今後多職種連携に向けた取り組みを先導されることは、地域全体に対する円滑な多職種連携につながるのだと感じております。





訪問看護ステーションや地域連携室を一つにされて、塙病院内でも多職種協働の環境を整えられておられました



今年度、県のバックアップを受け地域住民との貢献会・意見交換会を開催する予定を持たれておられました。
地域全体を網羅された活動から、都道府県リーダーとして在宅医療連携促進の確実な活動を拝見することができました。
地元の地域を深く愛し、よりよいサービスを提供したいという強い思いから、在宅医療システム改善に向けた主体的な取り組みとなっている活動を学ぶことができました。
そのような最前線で頑張っておられる方々へ、国の事業が強力に後方支援できる当事業の意義と今後への期待を感じております。
 ITシステムの導入や県庁との連携による講演会開催に関して、また情報を頂きたいと存じます。
 
 塙厚生病院の皆様の温かいお人柄が何より印象的な訪問となりました。
 またお会いできることを心待ちにしております。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。