2012年8月2日木曜日

秋田県訪問先:横手市地域包括支援センター


事業担当者:在宅医療連携推進担当 越後谷綾子様
訪問日時:2012年8月2日(木) 9時40分~11時

岩手県のチームもりおかから、県境を越えて秋田県の行政拠点である、横手市地域包括支援センターへ訪問させて頂きました。
東北の涼しいイメージとは異なり、日差しの力強い日に伺いました。
青々と茂る稲がまぶしい中、横手市の地域包括支援センターへ伺いました。
横手市には3か所の地域包括支援センターがあり、その中で西部地域包括支援センターが在宅医療連携拠点事業所として採択されました。


 
 以前は町立大森病院、現在は市立大森病院の小野院長が在宅医療を積極的に展開されており、訪問診療もされておられます。
大森病院の横に設置されている横手市地域包括支援センターとは密接な連携関係を構築され、協働にて横手市西部圏域の在宅医療の支援・推進に寄与されておられます。
平成17年10月に1市7町村が合併し、人口10万人を超える大きな市として再構成されおり、横手市は旧市町村に1つ以上の特別養護老人ホームをはじめ高齢者施設を保有する街でした。
秋田県では、横手市を中心として南部シルバーエリアとして指定し、町全体の高齢者を含め地域包括ケアを県が先導し地域改革を始めておられる地域でした。
 
秋田県南部老人福祉総合エリア
 広大な土地を有効に活用され、ゆったりとした新しい街づくりが目に見えた形で進められている新しい街の在り方を学ぶことができました。
様々な地域で行政としても、地域ニーズに基づいた在宅医療推進の取り組みが行われいることを実感致しました。
このように各地域を訪問させて頂くことで、人口構造の大きな変化を基盤とした医療の在り方が大きく変化してきていることを感じながら、また、在宅医療の推進を加速につなげる当事業の意義を強く感じます。
 

(写真左:秋田県南部老人福祉総合エリア 右:私立大森病院)


地域包括支援センターは市立大森病院の隣に設置されており、以前より連携関係があることから、今回の事業展開においても、市立大森病院の小野院長の協力を得て、地域の中核病院と共に当事業展開を進められておりました。
 
 
 横手市地域包括支援センターでは、資源マップを作成するに当たり、国が2年毎に実施している診療所実態調査結果や、地元新聞社が独自に実施・公表しているデータ、医師会や歯科医師会が独自に実施している各診療所の情報、保健所が保有している地域資源情報を総括してくことで、具体的に早期から活動が進められておりました。事務局訪問が8月上旬でありましたが、各医療機関に対するアンケート調査もすでに実施済でした。
 (写真:横手市地域包括支援センター入口) 
 
 
 アンケート実施には手渡しで配り、回収には健康福祉部の市職員が訪問し、在宅医療の実態を個別にヒアリングを行いながら収集する活動が見られていました。回収率は97%であり、多くの在宅医療関係者からそれぞれの考えや、活動の実態を個別に丁寧に把握する活動が、当事業への理解や協力関係につながる有益な活動だと学ぶこととなりました。在宅医療関係者に個別に在宅医療に関する情報を収集する中で、住民それぞれの価値観、在宅医療の認識なども確実に把握されておられました。
(写真:左から主任介護支援専門員 長谷川様、専門監 佐藤様、保健師副主幹 越後様)
 
 
 
 横手市地域包括支援センターでは、当事業における採択結果が出る前から、在宅医療の推進に関する事業を行政として予算を組んで取り組むことが市長を含め確認されている背景があり、当事業の採択を受け、さらに積極的な活動・取り組みへのつながった実態があり、当事業展開において非常に迅速な活動が見られておりました。
 今後も経年的な事業展開が市予算に基づき展開されていくということでありました。
横手市地域包括支援センターでは、地域の医療的な活動を展開するにおいて、医師会の協力を得ることで円滑な活動につながることから、地域の医師会への当事業に対する理解の促進など事前の調整を行なっておりました。 
また、当事業の推進に当たり地域ケア推進関係者連絡会を立ち上げ、その会長に地区医師会の会長に着任頂いているなどの明らかな連携関係が見られていました。

 横手市地域の特徴として、冬季には積雪が深い事から、地域の高齢者に対して訪問診療を提供することが根付いている地域性があり、地域性として在宅医療への関わりが積極的な地域でした。
その中で、横手市地域包括支援センターが地域包括ケアの拠点として、今後の在宅医療展開を地域全体で考え、構築できればというお考えを伺いました。
 
(写真:元新聞が発行している地域資源マップ )
 
 横手市は降雪量が大変多く、持ち家率が高いという地域性に関連し空き家対策や除雪の問題は切っても切り離せない問題であることから、行政として地域包括支援センターとして地域住民の皆様へどのような支援ができるのかということを、住民の目線で考え取り組まれているご様子に心打たれる時間でした。
 地域包括支援センターとして、行政機関として、在宅医療の連携拠点事業としてダイナミックでかつ長期的な目的に基づいた事業展開が、こちらの特徴であると感じます。
 横手市地域包括支援センターは、地域包括ケアの拠点であり、地域を管轄される行政機関でもあることから、様々な役割が統括された拠点事業所として、長期的にどのように取り組めばいいのかということを、地域の方々や様々な機関を連結し、相乗効果を高められるコーディネーターの役割を模索しながら取り組まれているご様子に当事業の在宅医療連携拠点事業所としての活動が進められている事を感じます。
 
(写真:「横手市包括支援センターの皆さんが今後の地域包括ケアの展開構想・当事業展開を、各医師会医師へ説明のために作成された構想図」)
 
 横手市では、当事業の採択にあたって市全体で取り組む体制が整っており、健康福祉部にプロジェクトチームが設置されていることから、それぞれの知識や経験を持った職員が連携・協働して当事業に取り組まれていることが、当事業展開において少しでも各担当者が負担を少なく、また発展的に取り組むことができるのかを学ばせて頂きました。
当事業は、初めての事業展開であり、様々な負担が担当者に生じていることも事務局として把握しておりますが、このように各事業所で力を合わせて前向きに取り組んでおられる姿が心強く感じます。
 情報共有システムに関しても実際に活用される方々のニーズや環境に応じてどのようなものが有効かを深く吟味し、今後取り組んでいくというお話からも、多くの関係者の方々との関係性がよく伝わってきました。
連携の基本は双方向のコミュニケーションであることをあたらためて感じました。
事務局として、各地で活動される皆様とのコミュニケーションがとれるよう取り組ませていただきます。
 ちょうど訪問させて頂いた時期が全国的に有名な『大曲の花火』大会に近い日でした。
横手市地域包括支援センターの皆様の熱心な活動が大きな花火のように多くの人の心を引き付けられるよう、今後の事業展開を心から期待しております。
 
 
 
 急なお願いにも関わらず、長時間ご対応いただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。